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東京高等裁判所 平成10年(行コ)147号 判決 1998年12月17日

控訴人 有限会社プラトン

被控訴人 関東運輸局東京陸運支局長

代理人 齋藤紀子 清宮克美 ほか七名

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  本件を東京地方裁判所に差し戻す。

二  被控訴人

主文同旨

第二当事者の主張

原判決の事実及び理由の「第二 事実関係」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。

第三争点に対する判断

一  本件登録回復処分の取消しを求める訴えの適法性について

控訴人は、平成九年一月二二日に本件登録回復処分を知ったところ(争いのない事実等4)、同処分の取消しを求める訴えは、同日から三か月の期間を超えた平成一〇年二月四日に提起されているから、行政事件訴訟法一四条一項の規定する出訴期間を徒過しているものと認められる。

控訴人は、道路運送車両法三七条が行政不服審査法四五条の規定の適用を排除していることを挙げて、右の訴えは、平成一〇年二月二日付けでした登録についての異議申立てに対応するものであるとして、出訴期間の徒過を争うが、異議申立てが適法であるからといって、異議申立てについての決定があった場合にその決定につき適法に出訴することができることはあっても、登録についての処分である本件登録回復処分の出訴が適法になるいわれはない。また、行政事件訴訟法一四条四項や同法八条二項の規定は、処分につき出訴期間を徒過した後に、審査請求(異議申立てを含む。)をすることによって、出訴期間の徒過の治癒を認める趣旨のものであるとは到底解することができない。

したがって、右訴えは、出訴期間を徒過したものであって、その余の点につき判断するまでもなく、不適法である。

(なお、付言するに、本件登録回復処分は、職権による取消し処分であるが、違法な処分について、行政庁が原則として職権取消しをすることが許されるとしても、違法な処分の後にその処分に関し第三者が関わることとなった場合に、職権取消しが無制限に許されるかは検討を要する。本件は、自動車につき登録がまつ消されている間における権利変動は登録に関わりないものとすれば、第三者が完全に権利を取得したとみられる事案である。そうすると、登録のまつ消されている間に、本件自動車について権利を有するに至ったとする控訴人に対し、原告適格を認めることが検討されてよいと考える。)

二  回復された本件自動車登録のまつ消を求める訴えの適法性について

右訴えは不適法であると解する。その理由は、原判決二三頁八行目から同二五頁一行目の「いうべきである。」までと同一であるから、これを引用する。

第四結論

よって、本件各訴えを却下した原判決は相当であるから、本件控訴を棄却する。

(裁判官 鈴木康之 宇佐見隆男 菊池洋一)

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